誓約書と承諾書はどう違うか

内定者が企業から提出を求められる書類には、大きく分けて「内定承諾書」と「誓約書」があります。承諾書が「内定を受け入れる意思」を示す書類であるのに対し、誓約書は「入社にあたって特定の事項を守ります」という約束事を明文化した書類です。内容は企業によってさまざまで、秘密保持や研修参加への同意など幅広い項目が含まれることがあります。

誓約書に署名したからといって、そこに書かれた内容すべてが無条件に法的拘束力を持つわけではありません。特に、職業選択の自由(憲法22条1項)や公序良俗に反する条項、たとえば「内定を辞退したら違約金を支払う」といった内容は、たとえ署名していても無効と判断される可能性が高いと考えられています。

署名したからといって、不合理な約束まで守らなければならないわけではありません。

サインを拒否・保留することはできるか

誓約書への署名を急かされても、内容を確認する時間を求めることは正当な権利です。

  • 「持ち帰って内容を確認してから提出したい」と伝える
  • 気になる条項があれば、その部分だけ質問や修正の相談をする
  • 納得できない条項がある場合、削除や修正を依頼することも選択肢のひとつ

誓約書は労働契約そのものではないため、提出を保留したことを理由に内定が即座に取り消されることは通常考えにくいですが、心配な場合は大学のキャリアセンターに相談してみるとよいでしょう。

提出の期限について

期限に余裕がない場合は、「確認に少し時間がほしい」と正直に伝えるだけでも、多くの企業は理解を示してくれます。

注意しておきたい条項の例

  • 内定辞退時の違約金・損害賠償に関する条項
  • 転職・副業を一律に禁止するような過度に広い条項
  • 提出期限や内容の説明が極端に不明瞭な条項

こうした条項を見つけても、それだけで慌てる必要はありません。まずは内容をよく読み、疑問点は率直に確認する姿勢が大切です。

迷ったときの対応の仕方

誓約書の内容に違和感を覚えたときは、一人で抱え込まず、大学のキャリアセンターや労働局の総合労働相談コーナーに相談することもできます。誓約書はあくまで入社にあたっての約束事を確認する書類であり、あなたの権利を一方的に奪うものではないという前提を持っておくと、落ち着いて向き合えます。